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蘇る昭和初期の家(古民家再生)
基本データ
  • 設計
    連合設計社市谷建築事務所(吉田桂二先生)
コンセプト


当時で築72年の歳月を経た昭和6年築のご自宅。家族4世代を見守ってきた建物は、雨漏りが発生したり、外観の痛みが酷かったり、と問題が発生しながらも、お施主様の想いは「この家を何とか生き延びさせたい」でした。地元工務店や設計事務所に御相談をされましたが、協力的な業者さんが見つからず困っていた所、当社のお知り合いの業者さんを介して、ご紹介を受け、お施主様と出逢う事に。御要望をお伺うと、懇意にさせて頂いている連合設計者の吉田先生がぴったりなのでは?と思い、吉田桂二先生をご紹介をさせて頂き、お施主様の想いを実現するべく3者間での「古民家風のご自宅再生計画」がスタートしたのでした。

ポイント

お施主様の御要望はあくまでも、「古い部分(渋く変色した軒裏の杉板など)を活かした形なので、古民家風に仕上げて欲しい!」なので、まずは引き継げるもの、引き継げるけど、改修が必要なもの、引き継げないもの、をはっきりと区別し、「何を残し、何を付加するのか?」、そんな所が軸となりました。また、ポイントは以下の通りにまとまりました。[その1]、「玄関の間」と呼ぶ、広い玄関土間。隣り合う「囲炉裏(いろり)の間」と一体となっている。[その2]、玄関入って正面の屏風(びょうぶ)の襖(ふすま)は吉田桂二先生直筆の墨絵が描かれました。[その3]、ご主人のコレクションである骨董品や年代物の建具に合わせて内装を改修し、昭和初期を偲ばせるノスタルジーな空間を演出しました。現在の暮らしに合わせた造作材は、引き継がれたものと違和感のない様に調色されています。[掲載誌]『チルチンびと30号(風土社発行)』『チルチンびと別冊 ディテールで読む木の建築 吉田桂二の設計手法(風土社発行)』